ロールモデル・メンターが、いたのか?
私は現在3次医療機関の常勤。当直は平均月6コマ。18歳と15歳の息子がいる、卒後20年目の女性医師。卒後すぐ結婚、出産して国内で専門臨床研修とアメリカ研究留学をして、もうすぐ社会人大学院を卒業できそう、っていう段階。
そんな医師人生を振り返って、1年目から現在に至るまで、ロールモデルやメンターがいたのかどうか。今までに後悔はあるのか? もう一度やり直せるなら、どうするか? 自問自答してみたよ。
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コンテンツ
・ロールモデルがいたのか?
・メンターがいたのか?
・ピアがいたのか?
・もう一度やり直すなら


・ロールモデルがいたのか?
端的に言えば、「いなかった」と思う。
医師としてのロールモデルは、今思えばいつも男性だった。もしくは、「男並みに働く」独身女性医師。それを自分で勝手に自分に刷り込ませていたんだろうな~。子育て女性医師も周囲にはいたけど、パート勤務の人ばかり。そして二度と専門医療機関や3次医療機関の常勤ポストには戻ってこない人ばかりだったから、「そういうのは嫌だ」と思ってたな~。かといって、独身女性の真似は簡単じゃないから、まったくロールモデルとなる人がいなかった。

逆に極端なロールモデルを美化して捉えていたかもしれない。専業主夫を持った子持ち女性医師。サブスペシャリティー専門性もあって海外留学経験あり、3次医療機関でバリバリ。性格も怖かった。そんな人を「憧れ」的に美化していた時期もあった。
完全に「迷子」状態だったね。

・メンターがいたのか?
メンターはいた。男性だ。医師としての専門性、教育熱心な人間性、冷静な判断能力を併せ持ち、私の性格や特徴を理解して受け入れてくれて、迷った時にSuggestionを仰ぎたいと思える、数少ない頼れるメンターが2人いる。1人はアメリカ留学先の教授。もう1人は大学院の教授。残念ながら、女性はいなかったし、現在もいない。だから、私は「女性メンターになりたい」という思いが強い。
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・ピアがいたのか?
ピア(同僚・仲間)は多数いた。自分の「安全領域」から出る事が、ピアが格段に増えたきっかけ。私でいえば、「小児科領域」から飛び出して、「医学教育」に踏み込んだ結果、ピアが一気に増えた。国内・海外留学もしかり。ピアは女性・男性どちらも多くいる。自分がアクティブに活動すればするほど、増えていく実感がある。今の私を形作っているのは、明らかにピアの存在の影響。とっても大事よね。

・もう一度やり直すなら?
もう一度やり直すとしたら、「子どもと向き合う」ことかな。前も書いたけど、一時期「子どもがいない女性のふりをし続けた」ことが5年ぐらいあった。息子たちが2歳~7歳ぐらいの大事な時期に。その時の自分(30代前半)に言ってやりたい。「常勤ポストを維持しながらでも、きっと出来る事はあるよ。悪いことは言わないから、子どもとじっくり向き合おうよ。子どもとじっくり向き合っても、仕事ができないレッテルはきっと今のあなたなら、貼られないからリラックスしても大丈夫だよ。」
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へこんじゃったけど大事な事に気付いた:Maternal Biasの最も重大な悪影響 : YOKOBLOG 土曜日更新 (livedoor.blog)

ミシェル・オバマがインタビューで言っていた。「ホワイトハウスの政府要人女性ですら、子どもとの時間をとても大事にしている。仕事より優先させている事もある。それがロールモデルでありメンターだった。」と。私は政府要人じゃない、たかだか医者なんだから、きっと出来たはず。その時に、そのことの重要性を教えてくれた人は、今思えば自分の母親だけしかいなかった。でも母親の言う事は信じていなかったんだろうね、「お母さんは医者じゃないでしょ」って、生意気にも30代前半の私は、思ってたんだわ。

パートが悪いとは言ってないよ。私は「常勤ポストと医師としての安定した収入」が当時の人生最大の目標だったから(今もまだその状態だけど)、こだわってるだけ。パート・非常勤は収入が激減するでしょ?だから、絶対に嫌なの、それだけ。お金って、実はすごく大事だよ。
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